[KEKB Bunch Feedback Group]

三光社SKI-17036用EPICS Device Supportの製作(Japanese)


by とびやま まこと(Makoto Tobiyama)/KEKB ビームモニターグループ

警告
以下の記述に関しては、意図する、しないに関わらず多くの誤り、誤解が含まれていると思われますので、 決して信用してはいけません。これを信じて起きた損害に関しては、当方は一切責任を持ちません。


If you want to contact with the author, please E-mail makoto.tobiyama@kek.jp.
目次

1.はじめに

三光社のSKI-17036は32ビット 2chの任意分周、ディレイです。RFクロック(100MH-800MHz程度まで) を任意の分周比で分周した信号を4chそれぞれ独立のdelay、幅で出力します。外部からの同期信号 がある場合、これと常時同期、あるいはコマンドを送ったあと1回だけ同期、あるいは無視する、 という設定が可能です。NIM1幅のモジュールで、信号類は前面からの入出力で、Ethernetあるいは UARTは後部からの接続となります。なお、前面に液晶表示パネルはありますが、操作はすべて ネットワーク経由となります。

本機については、(1)パルス幅設定の16ビット化、(2)通信断時のタイムアウト、(3)分周なしの 32ビットdelayモード搭載、(4)EP195のフルビットサポート(10ビット)、(5)EPICSの 内蔵化の改造を現在行っており、このデバイスサポートは暫定仕様となります。

2.IOコマンド

サポートするIOコマンドは以下の通りです。ヒトに優しく、という観点からか、 無駄に呪われたキャラクターベースコマンドが増えてデバイスサポートとしては 無題に面倒になっています。正直なところ、勘弁して欲しいです(応答は数字だけ、が望ましい)。
機能Command例Response例備考
分周比設定RATIO 5120 2〜4294967295まで
分周比読み出しRATIO?5120
ディレイ設定CH01:DEL 10CHはCH01からCH04まで
ディレイ読みだしCH01:DEL? 10
パルス幅設定CH01:WID 10設定は0〜255まで
パルス幅読み出しCH01:WID?10
チャンネル出力設定CH01:ONONかOFF
チャンネル出力状態CH01?ON答えはONかOFF
同期モード設定SYNCMODE ALLW設定時のみ同期はSING、常時はALLW、非同期はDISBL
同期モード読みだしSYNCMODE?ALLW上記の3状態を返す
EP195設定EXTD 10設定値×10ps、8ビット
EP195読み出しEXTD?10
パラメータsaveSAVSAVE OK設定なのに答えを返す呪われた仕様

3.EPICS環境

本デバイスサポートは、EPICS R314.12.3-CSAのAsynドライバー用に開発したものです。 EPICSそのものに対する説明、入門出家入道については徳の高い専門家に帰依するなり、 古今東西の古文書、Wikiなどを調べるなどの厳しい修行が求められるかもしれません。動作はLinux (CentOS 7/CentOS 6)上の EPICS R314.12.3-CSA+Asyn-4.23で検証しています。

4.コードの概要

コードを以下に示します。 説明がいるほど面倒な訳でもありませんが、コマンドがONとかOFFの 文字列を使う、といういかれた規格になっているので、その分 efastテーブルなどを使わざるを得ず、その分device supportが面倒になっています。 タメイキ。また、SAVコマンドについては、大変不吉なことにoutputコマンドのくせに SAVE OKという不要なメッセージを返します。このため、outputではありますが、SIで実装し、 実際の操作はデータベース側で工夫することにしました。

5.EPICSデータベースサンプル

サンプルファイルは以下を参照してください。 なお、コードのところで説明しましたように、SAVEコマンドについては、 StringInなので(SAVEDO)、これを直接プロセスしても良いのですが、外に boでSAVEコマンドを用意しています。

6.スタートアップファイルサンプル

スタートアップの必要部分は以下の通りです。

dbLoadRecords("db/FB_SKINIM.db","USER=FB_, LOC=TEST, L=L0, A=1")
drvAsynIPPortConfigure("L0","172.19.46.xxx:60000",0,0,0)

7.まとめ

三光社のSKI-17036の EPICSデバイスサポートおよびデータベースについて紹介しました。
Makoto Tobiyama
18/Jan/2018

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