[KEKB Bunch Feedback Group]

Tektronix DSA8200 Sampling Scope EPICS Device Supportの製作(Japanese)


by とびやま まこと(Makoto Tobiyama)/KEKB ビームモニターグループ

警告
以下の記述に関しては、意図する、しないに関わらず多くの誤り、誤解が含まれていると思われますので、 決して信用してはいけません。これを信じて起きた損害に関しては、当方は一切責任を持ちません。


If you want to contact with the author, please E-mail makoto.tobiyama@kek.jp.
目次

1.はじめに

Tektronix DSA8200はモジュール式のsampling scopeです。 ヘッドモジュールを交換することで、広帯域測定、 TDR測定などが可能です。なお、DSA8200にはEthernet端子がついて いますので、ソケット通信による制御も可能なのかもしれませんが いかんせんOSが見捨てられたWindowsXPのため、ネットワーク接続が 禁止されています。(このあたり、テクトロにクス殿は大変冷酷で まだ十分に使える測定器であっても全くサポートがありませんでした。 他のWindowsXPベースの測定器もすべて例外なく見捨てられました)。 このため、GP-IBを使って制御することになります。

2.IOコマンド

サポートするGP-IBコマンドは以下の、ヒストグラム測定に関連した ものだけです。また、設定などのコマンドももちろんありますが、 サポートしていません。
機能CommandResponse
ヒストグラムリスタートHISTOGRAM:COUNT RESET\r\n
Header offHEADER OFF\r\n
Hit数読み出しHIS:STAT:HITS?\r\nhit数\r\n
中心値読み出しHIS:STAT:MEAN?\r\n中心値\r\n
sigma 1読み出しHIST:STAT:SIGMA1?\r\nsigma1 \r\n
STD読み出し HIST:STAT:STD?\r\nSTD \r\n
H Position読み出し HORIZONTAL:MAIN:POSITION?\r\nH position \r\n
H Position設定 HORIZONTAL:MAIN:POSITION %le\r\n
H Scale読み出し HOR:MAI:SCA?\r\ Hスケール\r\n
H Scale設定 HOR:MAI:SCA %le\r\n
Reference point設定 HOR:MAI:REFP %lf\r\n
なお、ns(1e-9)とかいった値を使うので、数式フォーマットとしては%lfにしておくと あるところで0に変換されてびっくりしたり、悩んだりします(超まぬけ)。 まあ%leにしておくのが安全ではないでしょうか。

3.EPICS環境

本デバイスサポートは、EPICS R314.12.3-CSAのAsynドライバー用に開発したものです。 EPICSそのものに対する説明、入門出家入道については徳の高い専門家に帰依するなり、 古今東西の古文書、Wikiなどを調べるなどの厳しい修行が求められるかもしれません。動作はLinux (CentOS 6.8_x86_64)上の EPICS R314.12.3-CSA+Asyn-4.23で検証しています。

4.コードの概要

コードを以下に示します。

5.EPICSデータベースサンプル

サンプルファイルは以下を参照してください。

6.スタートアップファイルサンプル


スタートアップの必要部分は以下の通りです。
dbLoadRecords("db/FB_TDS8200.db","L=L0, A=7")

vxi11Configure("L0","172.19.***.***",0,0.0,"gpib0",0,0)
ヒストグラム測定自体は、手動でパラメータ等設定しておく必要がありますが、 ここでサポートしている機能だけでも、delayを変えたときのジッタ測定などが 自動で可能です。

7.まとめ

Tektronix DSA8200サンプリングスコープの EPICSデバイスサポートおよびデータベースについて紹介しました。
Makoto Tobiyama
9/May/2017

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