Internix社製16チャンネル対応16ビットD/A変換ボードPVME-632用EPICS Device Supportの製作(Japanese)

by とびやままこと(Makoto Tobiyama)/KEKB ビームモニターグループ

警告以下の記述に関しては、意図する、しないに関わらず多くの誤り、誤解が含まれていると思われますので、決して信用してはいけません。これを信じて起きた損害に関しては、当方は一切責任を持ちません。

If you need contact with the author, please E-mail makoto.tobiyama@kek.jp.

1.はじめに
2.VMEバスレジスタ
3.EPICS環境
4.EPICSデータベース
5.おわりに

1.はじめに

PVME-632は、インターニックス株式会社殿の16ビットのD/Aを搭載したD/Aボードです。アナログ側とデジタル側はフォトカプラおよび絶縁型DC/DCコンバータにより完全にアイソレートされています。

これから紹介するデバイスサポートは、このボードを「とりあえず」EPICSで使うためにtobiyamaが書いたものです。既に多くの偉大な先達がお書きになったデバイスサポートを参考にしています。本ボードは色々な機能を持っていますが、以下のデバイスサポートは全てのモード変更には対応していません。

アクセスモードはA24 Supervisor-Dataのみ。

上記と違うモードで使用するためには、デバイスサポートを変更する必要があります。

2.VMEバスレジスタ

PVME-321を操作する上で必要な各レジスタについて紹介します。詳しくはPVME-632のユーザーズ・マニュアルをご覧下さい。ベースアドレス(BASE_IO)は省略しますが、あるアドレス(例えば0x01)が書いてある場合、BASE_IO+0x01だと思って見て下さい。特に断らない限り、unsigned charアクセスをしていると思って下さい。

DATA-REG 0 (CH0) (0x00)
DATA-REG 1 (CH1) (0x02)
DATA-REG 2 (CH2) (0x04)
DATA-REG 3 (CH3) (0x06)
DATA-REG 4 (CH4) (0x08)
DATA-REG 5 (CH5) (0x0A)
DATA-REG 6 (CH6) (0x0C)
DATA-REG 7 (CH7) (0x0E)
DATA-REG 8 (CH8) (0x10)
DATA-REG 9 (CH9) (0x12)
DATA-REG 10 (CH10) (0x14)
DATA-REG 11 (CH11) (0x16)
DATA-REG 12 (CH12) (0x18)
DATA-REG 13 (CH13) (0x1A)
DATA-REG 14 (CH14) (0x1C)
DATA-REG 15 (CH15) (0x1E)
LOAD-REG (0x20)
全チャンネル一括ロード設定時にD/Aの出力データを同時に出力を実行するレジスタです。ライト・アクセスで実行されます。
STS-REG (0x22)
D/Aコンバーターへのデータのロード状態を参照するレジスタです。アクセス設定で高速アクセスを設定した場合に参照してD/Aデータの書き込みを行います。Normalモード時は参照する必要はありません。書き込み可能なとき0ビット目が0になります。0ビット目が1の時データを書き込むとそのデータは無効となります。
ZERO-RESET-REG (0x24)
強制0V出力を設定するレジスタです。電源投入時及びシステムリセット時は0V出力に設定されています。0ビット目に0を書くと強制0V出力になります。出力を出すためには0ビット目に1を書かなければなりません。

本デバイスサポートは、EPICS R313用です(R312で動かない理由はないと思いますが)。EPICSそのものに対する説明、入門出家入道については専門家に帰依するなり、コントロールグループのページをご参照されるなり、各自ご努力ください。また、IOCはPPC750でのみテストを行っています。
本デバイスサポートについては、あまり目新しいところはありませんので、source fileを示すことで、コードの説明とさせていただきます。

devPVME632.c (source code)

ボードの設定

コントロールバス : VME
D/Aデータロード:単チャンネルロード
アクセス設定：ノーマルアクセス
アドレス形式: スタンダード・アドレッシング
アナログ出力は+-10V（バイポーラ）

設定がバイポーラなので、出力コードはオフセットバイナリとなります。このため、以下の変換ルーチンを使用しています。

static unsigned short inpconv(indata)
     long indata;
{
  if (indata>32767)
    return(65535);
  else if (indata <-32768)
    return(0);
  else 
    {
      return(indata + 32768);
    }
}

4.EPICSデータベース

このデバイスサポートで使うデータベースをまとめると、以下の様になります。

Database	Name	S	function	SCAN	DTYP	その他
bi	$(USER):DA16:DATAOK	0	DAC status read	Passive	PVME632	Not used
bi	$(USER):DA16:OUTPUT_R	1	Forced-zero status	10 second	PVME632
bo	$(USER):DA16:SYNCOUT	0	Synchronos output trigger	N/A	PVME632
bo	$(USER):DA16:OUTPUT	1	Forced-zero output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH0	0	CH0 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH1	1	CH1 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH2	2	CH2 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH3	3	CH3 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH4	4	CH4 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH5	5	CH5 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH6	6	CH6 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH7	7	CH7 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH8	8	CH8 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH9	9	CH9 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH10	10	CH10 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH11	11	CH11 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH12	12	CH12 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH13	13	CH13 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH14	14	CH14 data output	N/A	PVME632
longout	$(USER):DA16:CH15	15	CH15 data output	N/A	PVME632

5.おわりに

汎用16チャンネル16ビットDAC-PVME632のデバイスサポート及びEPICSデータベースの概略を紹介しました。ご質問等はMakoto Tobiyamaまでお寄せ下さい。

Makoto Tobiyama
02/Feb/2001