[KEKB Bunch Feedback Group]

株式会社デジテックス研究所製570MHzディジタルディレイTD-4V用EPICS Device Support(Japanese)


by とびやま まこと(Makoto Tobiyama)/KEKB ビームモニターグループ

警告
以下の記述に関しては、意図する、しないに関わらず多くの誤り、誤解が含まれていると思われますので、決して信用してはいけません。これを信じて起きた損害に関しては、当方は一切責任を持ちません。


If you need contact with the author, please E-mail makoto.tobiyama@kek.jp.
目次

1.はじめに

TD-4Vはクロック周波数570MHzまで動作する16ビットディジタルタイミングディレイです。 VME1幅のモジュールです。

2.VMEバスレジスタ

TD-4V(17K44B)ボードのI/Oマップは以下の通りです。
AddressR/WFEDCBA9876543210
0x*******0WDelay Preset
0x*******0RDelay Preset readback
0x*******4WN/AInhibit
0x*******4RN/AOUTPUTSTARTRFExt InhibitEnable

OUTPUT、START、RF、Enableは0で正常(OK)、Ext Inhibitは0でInhibitなし。つまり、 出力が出ている時のステータスはすべて0となります。Inhibit出力は1でinhibitです。

3.EPICS環境

本デバイスサポートは、EPICS R313で開発したものです。EPICSそのものに対する説明、入門出家入道遁世については専門家に帰依するなり、コントロールグループのページをご参照なさるなり勝手になさってください。動作はPPC750/68K40で確認しています。なぜかPPC603では正常に動作しないようです。

4.コードの概要

コードのみを以下に示します。 dbdファイルの中で次のように定義します。
device(longin,VME_IO,devLiTd4v,"TD-4V")
device(longout,VME_IO,devLoTd4v,"TD-4V")
device(bo,VME_IO,devBoTd4v,"TD-4V")
device(bi,VME_IO,devBiTd4v,"TD-4V")
device(mbbiDirect,VME_IO,devMbbiTd4v,"TD-4V")

初期化ファイル中で、td4v_num_linksを使用するTD-4Vの数に合わせます。アドレスは 1枚目が0x21000000、2枚目が0x210000010となります。違うアドレスを使用したいときは、 devTd4vConfigで使用枚数とベースアドレスを設定してください。

5.EPICSデータベースサンプル

このデバイスサポートで使うデータベースをまとめると、以下の様になります。
RecordDTYPSignalNameFunction
longoutTD-4V0$(USER):TD4:PRESETプリセット値
longinTD-4V0$(USER):TD4:PRESET_Rリードバック
boTD-4V0$(USER):TD4:ENABLE0でenable、1でdissble
mbbiDirectTD-4V0$(USER):TD4:STAT_Rステータス
biSoft ChannelN/A$(USER):TD4:START_Rスタート信号 入力あれば0
biSoft ChannelN/A$(USER):TD4:RF_Rクロック信号 入力あれば0
biSoft ChannelN/A$(USER):TD4:ENABLE_REnableであれば0
biSoft ChannelN/A$(USER):TD4:INH_R外部Inhibit 入力あれば1
biSoft ChannelN/A$(USER):TD4:OUTPUT_R出力が出ていれば0

scanしているのはPRESET_RとSTAT_Rだけで、biの信号はSTAT_Rをsoftwareで分けただけです。標準データベースは
/users/tobiyama/epics_ppc/fbppcApp/Db/FB_TD4X.db
です。

6.スタートアップファイルサンプル

TD-4Vを4台使用するときは、スタートアップファイルに
td4v_num_links=4

dbLoadRecords("/users/tobiyama/epics_ppc/fbppcApp/Db/FB_TD4X.db","USER=FBH:MEM:X , CHAN=C0")
dbLoadRecords("/users/tobiyama/epics_ppc/fbppcApp/Db/FB_TD4X.db","USER=FBH:MEM:Y , CHAN=C1")
dbLoadRecords("/users/tobiyama/epics_ppc/fbppcApp/Db/FB_TD4X.db","USER=FBH:MEM:Z , CHAN=C2")
dbLoadRecords("/users/tobiyama/epics_ppc/fbppcApp/Db/FB_TD4X.db","USER=FBH:MEM:P , CHAN=C3")
の様に指定します。

7.おわりに

VME Timing Delay TD-4Vの使用法及びEPICSデバイスサポート、データベースについて紹介しました。こちらで実測した性能は

実験条件

出力ジッター

sampling oscilloscopeのhistgram機能を使い、TD-4V出力をトリガーにして入力 RFのzero cross分布を測定。

delay 1〜5118までで3.1ps〜3.2ps、systematicsなし。非常に低ジッターである。オシロスコープのトリガージッターが2.5ps程度なので、実質2ps程度のジッター。

出力phase

という結果となりました。全般的に非常に精度の良いカウンターであることが分かります。 海外のいくつかの研究所でもお使いいただいています。
Makoto Tobiyama
8/Mar/2001

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