概要
TD-4Vは、最高周波数620MHzまで動作する、VME1幅double heightのデジタルタイミング遅延モジュールです。パルス幅を調整できるNIM規格準拠出力を2チャンネル装備し、これと別にTTL(50Ω)出力も有しています。電源はECL系を含めて、全てVMEバスP1スロット及びP2スロットの標準電源を使用しますので、外部からの供給は不要です。前面パネルの表示は10進表示ですので、計算機なしに実際の遅延値を知ることができます。また、マイクロコンピュータを内蔵しており、電源をOffにしても、最終プリセット値を保持しています。
動作
入力clockをカウントし、スタート信号からプリセット値までカウントしたところで出力を出します。プリセット値は508.8MHz動作時、1から(分周比-1)まで有効です。なお、inhibit入力がある場合、及び出力がdisableの時は、出力がでません。
プリセットは、前面パネルからも設定できますが、VMEバスを通じて設定・モニターすることも可能です。同様に、出力のenable/disableもVMEバスを通じて設定・モニターできます。さらに、clock及びスタート信号、inhibit入力の有りなしもVMEバスからモニターできます。
サイズ
- 幅:VME1幅。
- 高さ:VMEダブルハイト。
- 冷却:高密度ECL部品を多用していますので、バス側からの強制空冷が必要です。なお、空冷が故障した場合でも、メーカーテストによると火災などの故障は起こさないようですが、保証はありません。
前面パネル
- [Outランプ]
出力が出ている時に点灯します。
- [Decodeランプ]
VMEバスのDTACK*と同期して点灯します。
- [Startランプ]
Start信号が入っている時に点灯しています。
- [Inhランプ]
inhibit入力がある時点灯します。
- [Up/Down切り替えスイッチ]
前面パネルから遅延プリセット値を増やす(UP)、あるいは減らす(DOWN)時に使用します。incrementあるいはdecrementの早さは下の(Fast/Mid/Low)スイッチによります。使用しないときは中立位置にあります。なお、最高65535の次は0(Error)に、0(Error)の下は65535です。
- [Fast/Mid/Slow切り替えスイッチ]
前面パネルから遅延プリセット値を変更する、incrementあるいはdecrementの繰り返し 速度を変更します。
- [遅延値表示]
VMEバスを通じて、あるいは前面パネルから設定した遅延値を10進表示します。なお、0を設定した場合はerror表示となります。
- [Clock入力]
clockを入力します。入力レベルは-10dBmから5dBmまでで、インピーダンスは50Ωです。なお、入力はC結合になっていますので、あまりに低い周波数では動きません。最高動作周波数は620MHz程度です。推奨周波数は510MHz以下です。
- [Start入力]
カウントスタート信号を入れます。信号レベルはNIMレベルで、インピーダンスは50Ωです。幅5ns以上のパルスを入力してください。
- [INH入力]
出力disable信号を入力します。信号レベルはNIMレベルで、インピーダンスは50Ωです。
- [OUT1出力、OUT2出力]
NIMレベル信号出力です。50Ωドライブ可能です。幅は、下のポテンショで3nsから130ns程度まで変えられます。なお、出力は独立ですので、使用しない端子をターミネートする必要はありません。(一般に不要の端子はopenではなく50Ωでターミネートすることをおすすめしますので、本機も不要端子をターミネートすることを推奨します)
- [OUT3出力]
TTLレベル信号出力です。50Ωドライブ可能です。幅は、NIM出力と独立に下のポテンショで10ns程度から250ns程度まで変更可能です。10H125の出力です。50Ωドライブ可能です。
- [resetピン]
内部の8ビットマイクロコンピュータが万が一暴走したとき、この秘孔を突いてリセットしてください。今までの使用上、暴走したことはありません。
ボード上スイッチ